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ダムニュースNo.348(平成25年2月)

菅沢ダムの取水放流設備が新しくなりました

− 中国地方整備局 −

 鳥取県西部の一級河川日野川水系印賀川に位置する菅沢(すげさわ)ダムで、施設更新を進めていた取水放流設備が完成しました。菅沢ダムは、昭和43年に完成した多目的ダムで、完成から約40年が経過し、既存施設のヒンジ式取水設備の老朽化、常用洪水吐きゲートの微少開度放流による振動・エロージョンが問題となっていたため、平成19年度より選択取水設備(円形多段式)の設置、小規模放流管(φ200,φ900)の設置工事に着手していました。

 取水放流設備の施工にあたっては、ダムの貯水位を最低水位以下まで低下させることから、利水者(灌漑用水、工業用水、発電)への影響を考慮し、水位低下期間を最小限に抑える確実な工程管理が求められました。また、既設ダム堤体を掘削して放流管を据付け、その周辺をコンクリートで充填することから、放流管周辺の水密性確保が重要であり、一般土木工事と機械設備工事の異工種JV(2社)により施工を行いました。

 まず、貯水位を低下するにあたって、コンジット敷き高以下はポンプ排水を行い、仮締切を設置した後に、取水塔基礎部の施工と堤体内放流管の施工を並行作業で行いました。以降は、早期貯水位回復のために水位上昇させながら取水塔を構築することから、急速施工及び緻密な工程管理が重要であり、取水塔の施工においては、プレキャスト型枠を使用し、一施工サイクルのリフト高を5.25m(標準3.5m)としました。これにより、約1.5ヶ月の工程短縮を図ることができ、利水者への影響を最小限に抑えるとともに、施工中水没することなく取水塔を完成させることが出来ました。

 また、堤体内に放流管(φ1200)を据付けるための堤体掘削にあたっては、堤体下流側に作業構台を設置し、小断面(H2.4m×B2.4m)の掘削となることからコンパクトな掘削用機械である自由断面掘削機械(カッタヘッド75kw)を使用し、トンネルを貫通させました。放流管周辺の充填には、高流動コンクリートを採用することで、狭小かつ障害物の多い放流管周りの充填性を向上させるとともに、低発熱セメントを使用することで硬化時の水和熱を低減させ、ひび割れの発生を防止することで水密性を確保しました。

 現在、作業構台等の仮設物撤去中で、新たな取水放流設備は、今春運用開始の予定です。

(中国地方整備局 日野川河川事務所
菅沢ダム管理支所)

菅沢ダムMAP

取水塔施工状況
(奥が既存のヒンジ式取水設備)
堤体掘削状況
放流設備の概要
堤体断面図

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