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放流能力の増強

既設ダムの放流機能の増強のため、放流設備の改造、増設を行う例が増えてきています。放流機能の増強のためには、既設放流設備の改造のほか、堤体に放流管や越流型の放流設備を増設する方法、地山にトンネル式洪水吐きを設置する方法などが考えられます。また、こうしたハード面の対策に加えて、洪水調節容量の増量や貯水池運用方法の変更などのソフト面の対応が併せて実施される場合があります。

放流能力増強のための工事では、貯水池を運用しながらの工事となる場合がほとんどであり、また、増設する設備の標高まで貯水位を下げることが不可能である場合が多いため、水中工事により仮締切を設置して工事が行われます。また、大規模な堤体の削孔等が必要であり、これらの工事の実施に当たっては、安全性と確実性を確保することが求められます。

放流能力の増強に関しては、大深度のもとでの大規模な削孔に伴う堤体内の引張応力の発生とその対応、越流型放流設備の増設に伴う堤体切削を安全に行うための仮締切方式の開発、大規模なトンネル洪水吐きの技術的課題の解決などの課題があり、その実施に当たっては高い技術力が求められます。

ダム技術センターでは、放流能力の増強に関する事業について、その計画から施工まで、多くの知見を有しており、各ダムの課題に応じて技術的な支援を行っています。
上流仮締切の例
上流仮締切側面図
堤体削孔状況(ロードヘッダ)
2024年4月
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↑一般社団法人ダム工学会HP
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