本文へ移動

地質解析の高度化

最近は地質状況の複雑なサイトにダムが建設される事例が増え、ダムサイトのみならず貯水池周辺斜面・第四紀断層・堤体材料等に関する精密な地質調査が要求されるようになっていますが、反面コスト縮減等を目的として効率的な調査が求められています。このため当センターでは、高品質サンプリングやボアホールテレビカメラ等の最新の調査技術を適用して高度な技術的判断を行なって、地質調査・解析の高度化と効率化を図っています。

また断層・節理・熱水変質・風化等ダム建設に重大な影響を与える地質現象と地質調査・設計について全国の事例を系統的に取りまとめ、当該サイトの地質状況や水理地質構造に合致した最適な調査・設計法を提案することによって、地質的・水理地質構造的に不利とされてきたサイトにおけるダム建設に寄与してきました。

例えば以下の図に示すように、複数の火砕流堆積物が複雑に分布し、これまでダム建設が地質的に極めて困難とされてきたサイトにおいて、それぞれの分布状況および性状を的確に把握することによって、造成アバットメントや貯水池ブランケット等の合理的な設計が可能となり、ダムを建設することができました。また大規模な劣化帯が分布するサイトにおいて、水理地質構造を明らかにすることによって、劣化帯を遮水層として有効に利用することが可能となり、基礎処理の費用を大幅に削減することができました。
性状の異なる複数の火砕流堆積物が複雑に分布するダムサイトの地質断面図
大規模な劣化帯を遮水層として利用したリムグラウチング
2024年4月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
↑一般社団法人ダム工学会HP
TOPへ戻る